2017年6月3日土曜日

観光(1
 
・地域の特徴を活かした体験型観光の徹底した推進


《現況の問題点・課題》
現在、国内観光に対するニーズは既に成熟化し、物見遊山・団体旅行・宴会型などの出発地で企画される旧来の発地型観光から、地域自らが観光資源を活かし企画し、個人や家族に参加してもらう、オンリーワンで付加価値の高い着地型観光へと変わりつつあります。

さらに、着地型観光の中においても、スローライフやロハスという考え方によるライフスタイルの変化は、自然とのふれあい、ゆとり、安らぎなど、経済的な豊かさよりも精神的な豊かさを重視する体験型観光へと観光客の価値観は転換し始めています。

近年、和歌山県でも体験型観光の振興に力を入れていますが、県内の各観光地が必ずしも成功出来ていないのが現状であります。


《具体的なアクション》
着地型の体験観光の成功例としては、団体旅行や研修の受け入れに焦点を絞り、400軒以上の農家が民泊を受け入れて、機織りやそば打ち体験、渓流釣りやラフティングなど130 以上の体験型観光のコースをそろえている長野県の南信州交通公社の取組が挙げられますが、実際に全国全ての体験型観光地が儲かっているというわけではありません。

しかしながら、着地型の体験型観光をやろうとすることは、地元の歴史や文化、環境などを住民自身が見直して、それを魅力的なものにしていくという努力を引き出し、それがそのまま「町づくりや地域おこし」につながるというプロセスは決して無駄にはなりません。

そういう中で、新しい分野である体験型観光を成功させる為には、その企画を観光客に知ってもらう為のプロモーションというものが非常に重要であり、行政の支援、外部の旅行会社との連携などはもちろんですが、特に近年、SNSを活用することにより集客を図ることも可能となってきました。さらに、SNSを通して日本国内だけでなく、例えば、外国人の方に体験型旅行をしてもらい、その情報をSNSで海外に発信してもらったりするようなプロモーションなども含めて、海外からの集客に目を向けた着地型観光の可能性を考えていくことは、これからもっと重要になってくると思われます。

例えば、岐阜県と富山県にまたがる白川郷に代表されるような日本的山村風景は外国人にも非常に人気が高いのですが、実は和歌山県にも、全国的な認知度は低いながら「のどかな干柿の里・四郷」、「高天原の地・天野の里」、「扇形の棚田・蘭島」「那智の里山・色川郷」などに代表される、それぞれ趣のある多くの山村風景は存在していています。

これらをSNSによって、国内外に向けて斬新な切り口をもったプロモーションや企画を絡めて発信してゆくような、地域独自の体験型観光への誘致が期待されるところであります。

このように、インフラ・ハコモノ整備だけに頼って低迷している20世紀型の観光から脱皮し、地域自らが企画推進する、新しい21世紀型の体験型観光を徹底して創造して参ります。



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