2017年5月24日水曜日

農林水産(3 

・和歌山の基幹産業である水産業・養殖産業の大きな飛躍にむけて

《現況の問題点・課題》
日本有数の漁業県である和歌山において、その漁獲量はピーク時である昭和50年の66,861トンに対して、平成21年が27,323トンと、遠洋のみならず近海においても年々減少し、それに伴い水産業従事者数も、2013年漁業センサスによると、ピーク時である昭和50年の9025人に対して、平成25年が2907人へと大激減しています。また、高齢化も顕著であり、このままでは本来、将来有望であるはずの水産業が、和歌山では、まさに斜陽産業となってしまいます。


《具体的なアクション》
世界的な人口増加や、発展途上国の生活レベル向上による飽食化から、世界的に水産資源の不足が顕著になっていて、地球レベルでの争奪戦が始まっています。
それを象徴するものが、マグロの乱獲であり、中西部太平洋マグロ類委員会(WCPFC)は、クロマグロの幼魚の漁獲枠を2015年から過去の実績の半分とすることで合意しました。

今やマグロはわが国だけの食材ではなく、近年の和食ブームもあって、台湾や中国を始めとする世界中で需要が高まっており、その需要に対応しきれていないのが現状であり、世界的にマグロの需要が高まる中、和歌山県串本町において、近畿大学水産研究所は2002年にクロマグロの完全養殖に成功し、各方面から大きな期待が寄せられています。

これは、水産資源を保護し、獲る漁業から育てる漁業への転換モデルとして、大きなビジネスチャンスになりえるものであり、このチャンスを逃すことなくクロマグロの養殖産業を、和歌山県の基幹産業として育てて行くことが重要であると考えます。
現在、既にクロマグロの人工種苗は他の養殖場に販売され、成魚は百貨店・飲食店等に販売され、都心の直営店ではマグロや、和歌山の食材を使った料理を提供しており、そのブランド化、商業化を進めております。

しかしながら、今やマグロの完全養殖事業には豊田通商や双日、三菱商事等の総合商社、日本水産等の水産食品会社等が続々参入してきており、せっかく和歌山で育んだものなのに、その拠点を九州や、四国、奄美等に移されていて、このままでは和歌山が取り残されてしまう可能性が出てきています。
今後は、和歌山がその研究拠点だけではなく量産拠点となる取組が重要であり、その為には、これまで以上に、養殖クロマグロの研究への支援、協力を惜しまず、養殖クロマグロ=和歌山というブランドを、もっと明確に確立させることが至上命題であります。

そして、養殖産業を和歌山県経済の成長の一つの柱として位置づけ、同じく和歌山で人工孵化に成功した高級魚クエの養殖等も含めて、和歌山県が日本の水産業、養殖産業の核となれるよう、その可能性を追求して参ります。

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