2017年5月15日月曜日

農林水産(2

・木()の国和歌山の再建、林業振興と自然エネルギー事業の推進

《現況の問題点・課題》
古来より「木の国」といわれる和歌山県は県土の77%が森林に覆われている森林県であり、かつて林業は県の基幹産業として隆盛を誇っていました。しかし、戦後は、安い木材の輸入や、建築様式の変化、そして薪や木炭から化石燃料に大きく依存したエネルギー源の変化等によって、国産木材の価格は下落し、その使用は減り続けています。

林業活動は厳しさをまし、林業産出額はピーク時の昭和55年には約241億円であったものが、平成22年には約36億円と激減し、それと共に林業就業者数も、ピーク時の昭和35年が13,363人、昭和55年が4,077人、そして平成22年の1,297人へと激減しています。
このような状況の中、山村の過疎化、高齢化と相俟って、森林は放置され、荒廃し、和歌山の林業は崩壊の危機に瀕しています。


《具体的なアクション》
2010年、「公共建築物等における木材利用の促進に関する法律」が施行され、近年、にわかに新しい木造建築に注目が集まってきています。そういう中で、CLT工法による高層ビルの木造化や、防火性、耐震性に優れた新しい都市木造建築の創造と共に、国内の森林・林業再生プランをはじめとした国産木材への回帰というトレンドが形成されつつあります。

また、地球温暖化や廃棄物問題への対応が迫られる中、自然エネルギーのひとつとして、既に存在する森林資源を利用した木質バイオマスにも注目が集まっています。

これらは和歌山県の林業再興において千載一遇のチャンスとなりえるものであります。

木質バイオマスは、近年の技術革新によってエネルギー効率が高められ、主に間伐未利用材を木質ペレット等に加工し、カーボンニュートラルという考え方のもとで、環境面に負担をかけずに、発電、熱利用、燃料、肥料等に変えていくものです。

特に、電気と熱、冷熱を同時に供給することが出来る、効率の良いコージェネレーションシステムである木質バイオマス発電については、その固定価格買取り制度により、1キロワット当たり未利用間伐材が33.6円、一般バイオマスが25.2円、建築リサイクル材が13.65円と定められており、未利用間伐材の使用を強く奨励しております。

未利用間伐材をスムーズに供給するためには、荒廃した森林を再整備し、林業を再生してゆくことが不可欠であり、それによって木質バイオマスの利用拡大が進み、さらに林業が復興するという、木質バイオマスと林業の相乗的なサイクルを創り出します

また、新しい木造建築の需要が喚起される中、集成材利用技術の進歩によって、間伐材は木造建築の集成材として活用することもできます。


このように、私たちは「木の国」和歌山での林業振興と自然エネルギー事業の推進を強く推し進めて参ります


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